現場監督が読書しながら執筆する『一日半歩』

現役現場監督。設計も施工も、現場の第一線で日々奮闘中です。家族とアメフトに情熱を注ぎ、メモと読書を自分のものにする。何気ない日常の出来事を、一つのストーリーとしてアウトプットする。そんな発信の場をつくっていきます!

私はその日、少年から幸せをもらった

 

 

「感謝の気持ちは回ってくる」

 

 

 

 

いつか、どこかで私が渡した感謝。

ありがとうという感謝の言葉。

些細なことだけど、それが誰かの胸に届いて、

また私のところに帰ってきては、心を温めてくれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちは!」

 

 

 

 

私は、小さな男のそんなたった一つの挨拶で、

心が温まり、感動すら覚えさせられた。

 

本当に些細なことだったかもしれない、

 

しかし、

 

私の心には十分に届いていた。突き刺さっていた。

 

 

ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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某日、昼。

 

 

 

 

 

 

とても暖かい日差し。

なんてぽかぽかと気持ちがいいだろう。

 

背面の窓から昼の日差しで背中が照り付けられ、

じわじわと熱くなってくるのを感じる。

ブラインドをおろせば光も遮ることができるが、

日の光は浴びていても気持ちがいいものだ。

 

 

体温も上昇し、水分も失われていく。

座って作業し続けていると、のどが渇く。

私は人よりも多少サイズは大きい方かもしれないし、

やはりとる水分量もそれだけ多い。

私は朝来てから帰るまでに、何度も給湯室に出向く。

コーヒー、水を水筒にいれて席までもっていくのだが、

あって言う間に飲み干してしまう。

結構の回数だ。

 

自分で気になって調査していたけれど、

一時間に1回は席をたっては、給湯室でコーヒーをいれていた。

まぁタバコ休憩必要ないし、これぐらいの移動はね。笑

 

 

これだけ水分とるともちろん尿意も容赦がない。

水分の補充とともに、トイレに出向くこともある。

特にブラックのコーヒーは、私の作業効率を高めてくれる。(同時に尿意も)

カフェインによる覚醒効果、ほんのりくる苦み、

これにより脳がやる気になってくれる、そう感じているし、

仕事する中での自分のいわゆるルーティーンのようなものだと思っている。

 

その代償に、トイレはが非常に近くなるリスクがある。笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩く場所だったり景色、同じ場所の行き来ではつまらなくなる。

事務所に閉じこもって図面と見積もりとにらめっこ続きだと、

頭がどうにかなりそうになる。

適度な歩行は脳をリフレッシュしてくれる。

それ目的で少しトイレの場所を変えたりもする。

 

商業施設とつながっていることもあって、

事務所のトイレだけでなくフラッと少し遠いトイレに足を運んだりもする。

煮詰まっている頭を一度冷やしたいのだ、許してほしい、、、

 

 

 

 

 

 

 

そんなフレッシュさを求めてトイレに足を運んだ時、

私は少年と出会った。

 

男性の小便器が4つ並ぶ。

少年は一番手前の小便器に向かっていた。

4歳、5歳ぐらいだろうか。

ズボンを下ろしたお尻丸出しの状態でトイレに集中していた。

 

「偉いなぁ、うちの子供もトイトレ(トイレトレーニング)始めんとなぁ、、」

 

なんて思いながら、

用を足す少年を横目に奥の小便器へ向かおうとした。

その時、少年のはっきりとした声で、

 

 

 

 

 

「こんにちは!」

 

と、一言。

 

 

 

 

 

 

 

 

トイレ中に響いただろうか。

いや、廊下まで聞こえるほどではないだろうか。

 

はっきりとした声で、後ろを通ろうとする私に振り返って挨拶したのです。

もちろん、お尻丸出しの状態で。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、こんにちは!」

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬詰まって、何とか返答した。

 

まさか、このタイミングで挨拶されるなんて、思ってもみなかった。

全くこちらも準備できていなかったし、

まさかこの状況で振り向いて、こんなはっきりと挨拶できるなんて、

親御さんの素晴らしい教育の賜物なんだろう。

 

私も、何とかかハッキリと返すことができた。

 

この状況で、普通の大人なら挨拶なんてあるわけないし、

ましてや他人にここで挨拶するとも考えにくい。

社内であっても用を足している最中に、

気を使ってあまり挨拶をしないだろうし、私自身も遠慮してしまう。

 

しかし、少年にそんな状況は関係ない。

知らない人でもすれ違いに元気よく、相手を見て挨拶ができる。

こんな素晴らしいことはない。

 

会社ですれ違い様の挨拶でも人間性がでる。

相手をみてはっきりと「おはようございます」「お疲れ様です」

と、言えているか。

うつむいてボソッと、言わなければいけないから言っているだけか。

ちょっとした意識の違いだったり、

相手とのコミュニケーションの一歩でもある挨拶。

やはり面と向かって、笑顔ではっきりとされる挨拶に、

嫌な感情は抱かないと思うんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の環境と、その少年を重ねあわせたりして、

いろんなことを頭の中で考えていた。

 

私が笑顔であいさつを返すと、

少年は満足そうな笑顔だった。

 

そしてズボンを上げて手を洗い、

水しぶきを払いながら廊下へかけていった。

 

 

 

そして、トイレの外から声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お母さん、さっきね、こんにちは!って言ったらね、こんにちは!って返してくれたよ!」

 

「うんうん、良かったね~(o^―^o)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の心は、一気に温まった。

 

本当に些細な出来事だったかもしれない。

ただあいさつをされて、あいさつを返しただけ。

日常の中にあるし、毎日それは通り過ぎていることかもしれない。

それなのに、ただの日常なのに、こんなにも私の胸を熱くさせる出来事だった。

目頭がジワーっと熱くなるのを感じる。

 

 

私は少年に、心から感謝していた。

 

ありがとう。

私は確かに受け取ったよ。

君からのその、優しい優しい心の温かさを。

だからこれを誰かに必ず届続けようと思う。

いつかこの暖かさが、また君の元へ返ってくるように。

 

「感謝」は廻り続ける。

 

だからその心、いつまでも忘れないでほしい。

そして、周りにその温かさをいつまでも広めてほしい。

 

私もその温かみを受け取った一人として、

この「感謝の温かさ」を廻し続けるよ。

 

 

 

ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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その感謝、しかと受け取りました。またいつか、必ず君の元へ。

 

 

 

「感謝の気持ちは回ってくる」

 

日常が日常で通り過ぎていたかもしれない。

そんなところに気が付かされたある日の出来事。

日常は意識すればするほど多くのことが見えてきます。

それは感じる側の感じる力によってもその情報量はことなる。

 

当たり前の日常からヒントをみつける。

アイデアのヒントは日常に隠れている。

だから今日も日常を当たり前に過ごさないように、

自分の琴線に触れるものを見逃さないように、

今を精一杯生きていきたい。

 

あの少年の、まっすぐな心のように。

 

 

 

 

 

 

 

 

現場からは以上、では本日もご安全に!('◇')ゞ

 

"good luck, have fun"(それでは、楽しんで)

 

 

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