現場監督が読書しながら執筆する『一日半歩』

現役現場監督。設計も施工も、現場の第一線で日々奮闘中です。家族とアメフトに情熱を注ぎ、メモと読書を自分のものにする。何気ない日常の出来事を、一つのストーリーとしてアウトプットする。そんな発信の場をつくっていきます!

よく耳にするゼネコンとは?施工管理?資格は?建設業の謎、リアルな現場監督事情をお伝えします!

 はじめに

 

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ゼネコン?施工管理?

建設業界を希望する際、必ずといっていいほど耳にするであろう「ゼネコン」

言葉の意味はなんとなくわかっていても、仕事内容が見えてこなかったり、建築を学んでいないと無理?など、不安要素が絶えないですよね。私も大学4年で就活をするにあたり、耳にすればいい噂が無く、この建設業界の「不透明さ」というのが、とても不安な部分でもありました。

 

私は建築が好きで、就活の末いわゆる「ゼネコン」に入って、今年で7年目、今も現場監督(現場に出て施工管理の仕事をする人)の仕事を続けています。自分はハマってしまいました。やりがいと達成感溢れる、そして何より人間を2倍も3倍も成長させてくれる職業です。

(※多業種に携わったことが無いので当社比)

 

ただ、楽な事ばかりではなく、業務量でいうとかなりの量をこなす必要があります。誰もが最初は何も知らない状態。どの仕事も同じことがいえますが、覚えることは山ほどあります。しかし、自分自身で仕事を選び、好きになり、どんどんハマっていけば、次第に知らないことを知ることが、楽しくなっていきます。

 

このページでは、建設業界で働く上で、一つの選択肢である「施工管理」の仕事内容や必要になってくる資格、身に付くスキルについて、包み隠さず公開していきます。興味をもった人は是非一読してみてください。

決断するのは、あなた自身です。

 

 

 

 

ゼネコンとは?

 

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建設業?現場監督?

ゼネコンとは、総合建設会社のことです。言わば、マンション、ビル、施設などを「建設」する会社の総称ということです。 総合建設会社といっても、全ての工事を自社で行うわけではありません。実際に現場で作業をする「職人」は、各業種毎の下請け(ゼネコンから仕事の依頼を受ける会社)の業者へ依頼します。ですから、その他業種の職人をまとめ、建物を完成しお客様へ引き渡すのが仕事です。

 

「ゼネコン」の中でもスーパーゼネコンと言われる会社があり、売上高が1兆を超えるような、ゼネコンの中でもその名の通りスーパーな存在です。一度は耳にしたことがあるような会社ではないでしょうか。「大林組」「竹中工務店」「鹿島建設」「清水建設」「大成建設5社がそれにあたります。

 

 

 

 

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施工管理とは?

 

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監督?指示するだけの仕事?
 
施工管理とは、工事に関わる全てのことを管理する仕事です。
 
 
「決められた工期までに、建物を完成させお客様に引き渡す」
ことが現場監督のミッションになります。
建物というのは、建てる前に諸官庁への申請を行い、
完成後に消防や検査機関による検査をクリアしなければ、その建物は利用開始することができないんですね。
現場での指示や実務が多いイメージですが、
実際は申請・手続き、書類・図面作成など、デスクワークの物量の方が圧倒的に多い仕事なのです。
 
竣工(建物の完成)時には、完成図書建物が完成した際にお客様へ渡す書類。
工事に関する書類や、検査をクリアした証明、各種検査記録、保証書などが入っています)をお渡ししますが、
厳しく検査するお客様であれば、物件1つに対してキングファイルが何十冊も並ぶほどの書類の準備を求められることもあります。
 
ゆえに、現場30%:デスク70% ぐらいの割合ですね。
現場で問題が起こらずスムーズに進んでいる時程、現場監督というのは、現場で何もする必要が無いんです。

 

 

 

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仕事内容は?何する人?

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現場を見てるだけでいいの?
 
施工管理の仕事内容は大きく4つです。
 
 
 ・工程管理
  引き渡しまでの全体工期を元に、工事の進捗を確認しながら
  工程を調整し、工期内に工事を納める
 
 
・施工図の作成
 施工図というのは、実際に現場で工事する際に職人さんが見る、
 細かい寸法や納め方が書き込まれた図面の事です。
 建物申請の時に提出される設計図は、
 申請において必要な部分を網羅した図面となっており、
 実は設計図だけでは現場で仕事にならないんですね。
 そのため、監督が必要な寸法を明記したり、
 実際に工事するにはどう納める必要があるか
 というのを検討するために、施工図というは必ず必要になります。
 
 
 ・安全管理
  工事現場内の安全を確保する。
  作業員の安全、危険個所の明示、注意喚起、自己の防止、危険予知活動の実施。
 
 
 ・品質管理 
  工程ごとに検査を実施し、建物の品質向上に努める。
  鉄筋の配筋検査やコンクリートの強度検査など多岐にわたります。
  各工事の工程を写真に収め、それを工事写真としてまとめ、
  工事完了じに提出し、工事が確実に完了したことを証明します。
 
 
 
 
 
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大学を出て、理系や建築学科じゃないと無理?

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大学で建築を学んでおくことが必須?

 

 理系でも文系でもなれます。
 私の場合、理系の建築系の学科を卒業して、この仕事につきました。
 しかし、現場で役立つ知識はほぼゼロに等しかったです。
 その都度先輩、職人さんに教えてもらって徐々に理解していきました。
 ですので、建築が好き、興味がある、そんな情熱があれば十分できます。
 
精神面でいうと、ばりばりスポーツで自信を鍛えぬいた人の方が、
向いてる仕事の世にも思えます。
 
 
 
 
 
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資格が無いとダメ?

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現場監督資格が無いとダメなの?

 

 施工管理の仕事自体には資格は必要ありません。
 誰でもいきなり現場監督として働くことができます
 ただし、工事が大きくなり、金額も大きくなっていき、
 現場代理人(所長、その現場のトップ)としてやっていくのであれば、
 一級施工管理技士(又は一級建築士)の資格が必須になってきます。
 
 次席、三席(No.2とNo.3)として現場に関わるのであれば、
 一年目であっても、すぐ現場に出て働くことができます。
 (最近ではヘルメットに初心者マークをつけたりして明示するようです)

 

 

 

 

 

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施工管理で身に付くスキル3つ

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現場に携わることで何が身に付くの?

 

目標を立て、着実に達成する力

工期が1年の工事に配属された場合、
 マスター工程(1年後の完成までの全体を想定して書いた工程)から、
月間工程、週間工程と細かく落とし込んでいき、
「いつまでに、何をやらないといけないか」を明確にする。
そして各種検査までに、どこまで工事を進めおかなければならないか、
今の工事が終わって、次の工事にいつから入れるか、など
各ポイントに向けて全体のスケジュール調整を日々行う習慣がつくので、
細かな目標を立てて、少しずつ達成していくスキルが身に付きます。
 
 

人間関係・コミュニケーション能力

常に職人さんとのコミュニケーションをとり、
工程通り工事が進むように指揮をとります。
図面では全てが表現しきれないことが多く、
施工上の問題点や細かい納まり(どこに、どうやって取り付けるのかということ)の話が、
毎日のように、次々と出てきます。
それらを建築上の法律や、設計者と相談の上、一番良いカタチで職人さんに指示を出し、
完成へ向けての道筋を作っていきます。
 
   

建築に関する幅広い知識

図面を書くことも多く、
建物を建てる上での幅広い知識が自然に身につきます。
そして何より、現場監督は指示を出す側になりますので、
工事に対する知識は必ず必要になります。
特に、中小企業のゼネコンで仕事をする場合、ほぼ全工種電気工事・設備工事は別で監督がつくことが多いです)打合せを行っていく必要があり、相応の知識が求められます。
それぞれの工種も奥が深く、監督がしらない知識もたくさんあります。
ですから、わからない部分は、逆に職人さんに聞いて、
教えてもらいながら、常に「学ぶ姿勢」が大事だと思っております。
その相手へのリスペクトの姿勢が、コミュニケーションをより深いものにできるからです。

 

 

 

 

 

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施工管理の仕事をする上での注意点 

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人と人とのお仕事

 

工事を円滑に進める上ではコミュニケーションをとることが不可欠であり、
人と接することが苦手と感じる方は非常に難しいです。
全体的に「職人」の仕事は高齢化がかなり進んでおり、
新卒で入社した場合は二回り、三回りは違う職人さんに指示を出します。
 
自分も何一つ知らない学生上がりでしたが、
わからないことは、はっきり「わからない」と伝えていました。
これがどんな仕事でも最重要なことで、
わかったような気で返事をしていたら、
取り返しのつかない重大なミスにつながることが建築では少なくありません。
 
それから「どうやったらいいですか?」「教えて頂きたいです」
こちらから興味をもってどう納めるのが一番上手くいくのか質問していく、
これが一番心が近づける方法です。
自分の仕事に対して本気で興味を持ってくれる人に、人間悪い気はしないものです。
「何も知らん若造が」と言わんばかりの態度をされるかもしれませんが、
自分が興味を持ってこそ、相手を、その仕事を好きになってこそ、初めて心を少ずつ開いてくれるものだと思っています。
 
理解してこそ、初めて理解されます。
 
 
 
 
 
 
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まとめ

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街を作る仕事。地図に残る仕事。

 

いかがだったでしょうか。
昔から、建設業は3K(きつい、きたない、くさい)というイメージを
持たれ続けてきました。
しかし、昨今では働き方改革が強く前面に出てきており、
残業を減らすための仕組みや、アプリによる仕事の円滑化が進んでおり、
現場環境もかなりの変化を感じています。
また、女性の現場監督も積極的に採用されており、
着実に過去のイメージは改善されつつあります。
 
しかし、建築においても「工期」という期限が設定されている限り、
何を差し置いてでも必ず工期を守らなければなりません。
開店入居の準備というのは、工期に基づいて設定されており、
その後の展開が全てずれ込むことになり、その全責任を負い、信用を失います。
自然災害などの理由でもない限り、工期が伸びることはありません。
 
竣工(建物の完成)間近では、間に合わせるために全身全霊を込めて、休みを全て返上してでも現場を納めるる覚悟は必要ですね。
休日出勤の処理などは最近は厳しく処理されるようになっています。代休であったり、残業時間と計上されたり)
 
 
少し変わった内容で、大変な仕事かもしれません。
しかし、「自分が建てた」と言い切れるような、
地図に残るような仕事ができるというのは、
何にも代えがたい達成感があり、
私はこの仕事が好きだし、自分にあっていますね。
 
この記事が、建設業へ進むことを検討している人の不安を
少しでも解決できる内容になっていれば、私は大変嬉しいです。
 
それでは、建設業の世界で待っています。
ありがとうございました。

 

 

 

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