#05 教える、失敗。
__________________
「私は実験において、失敗など一度たりともしていない。
これでは電球が光らないという発見を今までに20000回してきたのだ」
ー Thomas Edison(トーマス・エジソン) ー
__________________
人間は失敗する。
失敗がない完璧な人間は存在しない。
もし仮にそんな人間がいたとしても、
その人間はとても脆く、打たれ弱い。
失敗の数が多いだけ経験があり、
この方法では上手くいかないということを知っている。
失敗から学ぶことは多い。
失敗した分だけ自分の学びになる。
試しに「失敗したことノート」を作成してみれば、
そこに記した数だけ自分が学んだという証になる。
ただ、
同じ失敗を何度もしてても成長はない。
負け癖がついていては、勝ち方がわからず流されてしまう。
失敗をまず受け入れて、一つずつ積み上げていくことしか。
成功には近道なんてないのだろう。
自分の仕事は設計デザインや現場監理が主だ。
そんな中、今日はとてつもなく単純なミスをした。
単なる確認不足。
単純作業だけに、いつもの流れで確認を怠った。
単純なミスだけに、気がつかない自分がすごく歯がゆかった。
そんな話を、明日の自分のためにここに書き留めて学びとする。
人間は忘れてしまう生き物。
見るべきは明日。
昼
暖かい日差しが差し込む。
背中に窓があるおかげで西日は非常にきつい位置だ。
急ぎ対応の見積りと図面の準備。
時刻は14:30。
15:00アポのため急いで車で設計事務所のお客さんの自宅へ向かう。
特に準備もなく、現地で職人と打ち合わせて進めるだけ。
1時間もあれば終わるだろう。
こんな安易な考えだった。
至って単純な、玄関入り口の硝子交換だ。
事前に自分で調査に入っていたし心配はない。
硝子周りのコーキング(ゴムみたいなの)を切って取り換えるだけ、
だった。
しかし、いきなり問題が発覚だ。
「ガラス割らな外れへんな。」
詳しく説明すると少し難しいんだけど、
その扉の硝子の仕様は、ガラス押さえとパテでがちがちに固められている、
最近の建物ではもう使われていない施工方法。
硝子交換の際はほぼ割る前提。
とてもじゃないけどカッターは入らず、
硝子を少しずつ細断して、コテコテのパテを削る必要がある。
一般的なコーキング(ゴムみたいな)仕舞であれば、
硝子だけがはずれて交換でき、コーキングの打ち直しだけで綺麗に納まる。
想定の倍以上の手間がかかる。
その上、削っていくので当然ガラス際の塗装がくっついて剥がれ落ちる。
塗装の補修が必要だが、塗装工事などは全く段取りしていない。
考えるが、割る以外に交換する方法はない。
既に強風によってヒビが入ってるし、日を改めるわけにも。
手作業で割っていき、際の塗装もすべて削り取る。
入口はそりゃあガラスまみれだ。
割る準備なんてしてきてないから。
なんとか全て削り取って交換が終わる。
塗装は次の日どうにか段取りした。
とにかく納めることができてほっとする。
ただ、自分の確認不足を痛感。
余裕がある、簡単な時こその詰めの甘さ。
自分の目で確かめておきながら、納まり方も確認してないなんて。
設計の先生にもえらく怒られたが、
帰り際には「ありがとう」と、一言。
救われた。
これが納めれたのも、
問題が発覚してすぐ職人1人がホームセンターへ走ってくれていた。
早い対応と、そして現場の技術力。
嫌な顔一つせずガラスまみれで交換を終え、
「納めれてよかったよ。後で銭湯代ぐらいは請求するで!笑」と一言。
また救われた。
__________________
本当に優しい人たちに囲まれている。
だがこの失敗は受け入れて、甘えるべからずだ。
そして、
次は自分は誰かのピンチを救わなければと。
人間は失敗する。
それを誰かが補ってまた学ぶ。
善行も連鎖していくし、逆に負も連鎖していく。
こうして人は成長し、成長させられる。
そしてしっかり受け入れたらその次は、
しっかりと明日を見よう。
想いはいつも、明日の笑顔のためにだ。
今日が終われば明日は今日だ。
また明日ね( ˘ω˘ )